TLOには,弁護士・事務局で組織する「ITチーム」があり,パートナー弁護士である私がリーダーを務めています。
このITチームが中心となって,平成29年にICT化を図り,民間企業や官公庁でも利用されている業務管理システムをTLO仕様にカスタマイズした上,全面導入しました。さらに,万全なセキュリティー対策を講じた上で,事務所外からでも事務所サーバー(の一定範囲)にアクセスできる環境を整え,新型コロナウイルス禍の遙か以前より弁護士のテレワークを実践しています(事務局業務におけるテレワーク導入は,今後の課題として鋭意検討中です。)。
現下,TLOにはITに特化した人材がいるわけではありませんが,これからの時代,IT・AI技術を駆使したリーガルサービスが求められることは間違いないという認識のもと,ITチームが先頭に立って,都内のITEXPOに参加したり,オンライン研修を積極活用したりと,日々調査研究を進めています。その結果,巷間ではデジタルデバイド世代と評される年代?である,K弁護士のスマホ・パワポ活用術,M弁護士の音声入力・WEB会議活用術,そして東京在住のSa客員弁護士のテレワーク活用術は,今や私や事務局を凌ぐ勢いで進化をしています。
このような一連のIT化を経験する中で,ITシステムのスムースな導入・定着の必要不可欠な前提は「業務の見える化」であることを改めて認識しました。 そして,「業務の見える化」は迅速で適正な組織運営のためには欠かせないファクターであるように思います。最近日本中で大きな問題となっている企業の事業承継等の場面でも,企業の業務につき「見える化」が図られているか,その情報が承継者と後継者との間で共有されているかどうかが,事業承継が上手くいくかどうかのポイントの1つになるように感じています。
そうした中で,比較的年齢の近い若手経営者と話をしていると,「業務の見える化」を意識し実現を志向されている方は少なくなく,そのためにどのような制度設計をすべきか,それに伴う法的リスクにはどのようなものがあってそれにどのように対応すべきかなどと合理的に考える方が多くなっているように見受けられるのは,同世代として頼もしく,嬉しい限りです。
TLOは,「予防法務」を掲げ,顧問先企業法人・個人の皆様をはじめとするクライアントに対し,信頼と安心のリーガルサービスを不断に提供することを存立の理念としています。先ず隗より始めよ,ではありませんが,これからの時代に真に求められるリーガルサービスとは何かを考えるにあたり,日々の業務の確実な実践を通じ,問題意識を常にアップトゥーデートしていきたいと思っています。