最近,デジタルデバイド(dijital divide)という言葉をよく耳にします。デジタルデバイド(dijital divide)とは「情報格差」を意味するようです。情報格差は今やいろいろな領域・分野で生じていますが,私のようなシニア世代の弁護士にとって,世代間でのデジタルデバイドが大きな関心事です。シニア世代の中には,今さらIT機器に触るのは億劫だからと,「私はパソコンやスマホは使わないことにしている。」と言う人も少なくありません。しかし,IT(情報通信技術)がめざましいスピードで進化している現代社会に現に生きる者として,ITと全く無縁の生活を送るというのは残念ではあります。この先の老後を生きていく上でも困ることが生じないとも限りません。それでは,私たちシニア世代は,一体どうすれば良いのか?私が思うに,仕事でIT機器を使うことが近道ではないでしょうか。まずは,パソコン、スマホ等を毎日の仕事に使うことです。仕事を離れてイチからIT機器の勉強をしようと挑戦しても無理です。それでは,目指すべき目標が遙か遠く,私などは直ぐに面倒になって諦めます。「必要は発明の母」と言うではありませんか。仕事で直ぐに使わざるを得ない環境に身を置けば,完全でトータルな理解に到達しなくとも,必要なIT機器の操作はできるようになり,必ず使えるようになるはずです。使わないと仕事にならないのですから。歩みは遅々としているにせよ,理解は日々深まっていきます。パソコンが使え,スマホが使え,WEBメールやWEB会議が使えれば,オンラインでどこでも必要な情報にアクセスができます。どこでも誰とでもコミュニケーションが取れます。その情報を基にどこでも仕事ができます。出張先でも,旅行先でも,日本中,世界中のどこでも仕事ができるようになります。これは,空間と時間を超えられることを意味しています。実感としてそのように思います。昔,自動車の運転免許を取得して初めて長距離走行をした時,「これで世界が広がった!」と感じた記憶はありませんか?その感覚に少し似ています。この状態は,私のような弁護士にとっては,とても有り難いことです。いつでも,どこでも,Clientからの緊急の相談に応じレスポンスできるのですから。また,ITを通じてのインプットとアウトプットの営みを日々続けることは頭脳の老化を遅らせる効果も期待できるでしょう。そのように考え,わが事務所では4年前からIT化を進めてきました。もちろん,万全のセキュリティー対策を執ることも肝要で,可能な限りこれに努めてきました。若い世代の順応性と上達ぶりには目を見張ります。私たちシニア世代も,後れを取りながらも毎日デジタルに触れつつ一歩一歩歩み続けていこうと思う今日この頃です。