Kさん 早稲田大学LS卒 修習地:東京

令和3年度サマーインターンシップ

1,応募をした経緯
 私は令和3年度TLOサマー・インターンシップ(以下「本インターン」)に参加させていただきました。参加を決めたきっかけとしては,TLOエクスターンシップ(既習2年次早稲田LSカリキュラム)に参加をした友人から誘われたからです。参加を決めた6月下旬,私は司法試験の受験を終え,アルバイトをしつつも時間を持て余していました。そんななか友人から「静岡でとても勉強になるインターンがある」と言われ,「有意義な時間を過ごすことができるのならば参加をしてみよう」ということで応募をさせていただきました。結果として,有意義すぎるほどの濃い2週間を過ごすことができました。本インターンの存在を知ったのであれば,参加しない選択はないと思います。現時点で迷っている方はまずは応募をしてみるべきです。

2,法曹の本質
 まず総論として,「法曹の本質」について各資料をもとに考える機会がありました。正直なところ,総論部分が一番大変でした。「法曹とは何か」についてこれまで頭の中でぼんやりとイメージすることはあっても,自分の言葉で説明をしたことはなく,ディスカッションの際は言葉に詰まってしまうことが多々ありました。また,必ずしも答えは一つではないため,どのように書面にまとめるべきか悩みました。
 しかし,K先生からのフィードバックでは法曹の本質論についてパワーポイントを用いた説明を受けることができ,視覚的に理解・整理ができました。このパワーポイントのレジュメは今でも参照する機会があります。この経験を通して,目指すべき法想像が固まり,将来の方向性を見つけることができたと感じています。

3,一通りの事件処理を体験
 次に各論として,過去の先生が担当された事件について追体験をするということで,訴状の起案,各種申立書の起案,現地調査等を行いました。訴状や各種申立書の起案については,私はこれまで作成をした経験がなく,かなり時間をかけて作成をしたもののフィードバックでは形式上のミスから内容上のミスまで多くの指摘を受け,自らの力不足を痛感しました。もっとも,司法修習前に書面の起案の仕方について学ぶことができたことは,非常に貴重な経験であったと感じています。今後の司法修習では書面の作成が一通りできることを前提として研修に臨むことができるため,弁護士としての技術や意識している点といった,更に進んだレベルに目を向けることができ,より有意義な司法修習になると感じています。

4,座学としての講義
 その他にも,法律相談の仕方,予防法務と臨床法務,法律事務所の経営論についての講義があります。特に事務所の経営論については今後誰かに教えていただく機会はほとんどないと思います。弁護士として独立を考えている人にはぜひ受講してもらいたい講義です。

5,先生・仲間との出会い
 本インターンでは,所属している全員の先生と昼食・夕食をともにし,また各課題のフィードバックをしていただいたため,深いコミュニケーションを取ることができました。特に自分自身の考えや価値観を先生に向けて話す機会は大変貴重な経験であると思います。そして,本インターン終了後もメールのやり取りや司法試験合格の報告等,つながりを持つことができ,本インターンを通して先生と出会えたことは何にも代えがたい財産となりました。
 また本インターンを通して3名の仲間に出会えたことも財産といえます。この仲間とは司法試験の合格を分かち合うことができ,今でも交流があります。ロースクールを超えて新たな仲間に出会えることも本インターンの良さだと思います。

6,さいごに
 本インターンは,進路が固まっている人,そうでない人等,全ての人に通意義なカリキュラムになっていると思います。また,このカリキュラムはかなり考え込まれた内容になっているうえ,毎年アップデートを重ねているとお聞きしたため,今後本インターンへの参加を考えている人は,これまでに本インターンに参加をしたOB・OG以上の成果を実感できると思います。内容が濃い分,大変な研修になると思いますが,研修を終えた2週間後には見えている世界が変わっていると思います。法曹を目指している方は,本インターンへ参加して法曹への第一歩を踏み出して欲しいと思います。