1 初めに
私は令和3年度TLOインターンシップに参加させて頂きました。遡ると，私がTLOと接点を有するに至った経緯は，ロースクール時代にエクスターンシップでお世話になったのがきっかけです。以来，先生方をはじめTLOの皆さんは事ある毎に気にかけてくださり，本インターンへの参加もお声がけして頂きました。
以下，本インターンへの参加をご検討されている後輩の助けとなればと考え，乱筆ではありますが本インターンの体験談を述べさせて頂きたいと存じます。
2 インターンの学習内容について
東京の一般的な事務所のインターンシップでは，どちらかと言うとそこで働く先生方の様子を見学しつつ，少しお手伝いをさせて頂くというような，いわば職業体験的な要素が強いかと存じます。しかし，TLOのインターンは全く違います。本インターンは非常に緻密に計画されたカリキュラムが用意されています。
まず初日より始まるのは，法曹とは何か，法律の世界における「事実」とは何かについて根本にさかのぼって考えます。文献を読んだり，先生方と徹底的に議論することで，その本質について追求するのです。私は本インターンに参加するまで，自分が将来なるべき法曹について根本から考えることはありませんでした。しかし，在るべき法曹について一から再確認することにより，勉強の方向性，自分がこれから歩むべき道筋が一気に明瞭となったのをはっきりと覚えています。
次にやるのは実際の弁護士の業務とはどのようなものかについて，実際に手を動かしながら体験します。私の年度では，とある一つの事件（これは過去に先生方が実際に受任された事件です。）の始終を自分の力で解決へと導くというものでした。その過程では，学部やロースクールでは学習しないような法令，規則などの知識が必要となり，諸々の書面の起案までも当然に含まれています。TLOインターンでの勉強は，これから修習へ進むにあたり，ロースクールと実務の架け橋となり非常に勉強になりました。さらにカリキュラムの内容は，法律論にとどまりません。弁護士事務所の経営論からクライアントとの接し方，事務業務に至るまで幅の広い内容が2週間のカリキュラムに盛り込まれているのです。
このようなカリキュラムが組まれていることに加え，さらにTLOのインターンの驚くべき点は，先生方の貴重な時間をインターン生のために割かれているという点です。先生方は実際に仕事をしながら私たちのために時間を空けてくれているのです。そのため，インターンの2週間を集中して，得られるもの一点も取りこぼしてはいけないという意識になります。
これらの点から，TLOが真に後進育成に力を入れていることが窺われることかと存じます。これ程までに恵まれた環境下でのインターンを，この記事を見ているロースクール生，司法試験受験生には本当におすすめしたいです。東京の微々たる日当などに踊らされてインターンの価値，本質を見誤らないで欲しいと切に願っております。
3 富士での2週間の生活について
私の時のTLOインターンでは土日までスケジュールが組まれておりました。その予定はゴルフ体験です。学生の内は中々ゴルフを経験する機会がありませんが，弁護士になればやる機会も多いことと思われますので，ゴルフ体験は非常に良い経験をさせて頂きました。ゴルフはとても楽しく，東京に帰った後もインターンで知り合った仲間と打ちっぱなしなどに行っています。またゴルフ場の帰りには，富士市の観光スポット巡りもさせていただきました。牧場でソフトクリームを食べたり，資料館に行ったりととても充実した休日を過ごさせて頂きました。
また毎日のカリキュラム後には先生の御自宅で晩御飯を頂きます。しかもインターン生みんなのご飯を作ってくれるのはM先生です。日中は弁護士業務で多忙なのにも関わらず，ご飯まで作って頂き，本当にありがたいことです。感謝してもしきれません。食事中には世間話や先生の経験談をお聞かせ頂き，2週間ずっと大変貴重な時間です。大先輩である弁護士のプライベートでの姿を見ることもまた非常に良い勉強となります。
4 終わりに 〜多くの人との出会い〜
私は，本インターンは上記カリキュラムに加え，多くの人と出会うことができるという点にも大きな価値があると考えます。先生方はインターンが終わった後もずっと気にかけてくれ，何度もメッセージをくださり，合格発表後にはインターン生のために合格祝賀会まで開催してくれました。たった2週間という短い時間でしたが，とても強いつながりが持てて幸せです。
また，インターンで出会った友人はかけがえのない財産となると確信しています。私の年度のインターンでは3人の友人と出会いました。学校も違う人達ですが，本インターンで仲良くなり，東京に帰ってからも会ってご飯などに行ったりメッセージを送り合ったりしています。司法修習や就活の情報を共有したりなどもでき非常に良い関係が築けたと考えております。
