Yさん 慶應義塾大学LS卒 修習地:長野

令和3年度サマーインターンシップ

1 はじめに
 まず,この記事を見てくださりありがとうございます。見てくださった方の参考となることが書けているかはわかりませんが,何か少しでも感じていただいて,ぜひインターンシップに申し込んでくださったら嬉しいです。
 TLOサマー・インターンシップは,とにかく充実した,とても貴重な経験ができる機会だと思います。私がこのインターンシップを通して得たものは,修習で役立てることができるだけでなく,この先法曹として活動していく中でずっと役立てることができるものばかりであると確信しています。
 なお,私はインターンシップの内容のネタバレとなってしまわないようにかなりぼやかしながら書いていますので,その点はご容赦ください。

2 きっかけ
 私がTLOでのインターンシップ(以下「本インターンシップ」といいます。)に申し込んだきっかけは,法科大学院2年生の時のエクスターンシップでの経験にあります。
 私はエクスターンシップにおいてもTLOでお世話になりました。私は地方出身ということもあり,地方の事務所が実際にどのように活動しているのかについて非常に興味があったのですが,私の法科大学院のエクスターンシップでは地方の事務所は全部で3つしかありませんでした。その中で,静岡県富士市という東京から比較的行きやすい場所であったこと,ホームページが非常にしっかりしていて充実した活動を行っている事務所であることが想像できたことからTLOでのエクスターンシップを選びました。
 そして,実際にTLOに5日間お邪魔させていただき,非常に貴重な経験をすることができました。今までは試験のための机上の勉強しかしていなかったのですが,勉強してきたものが実務にどうつながっているのかを実感することができたことに加え,試験勉強以前の本質的な事柄について始めてじっくり考えてみるという経験をして,試験合格後の目標をおぼろげながらも見つけたような気がしました。また,私は恥ずかしながらTLOのエクスターンシップで実際に事件を見せていただくまで相続財産管理人という制度を知りませんでしたが,エクスターンシップを機に勉強して,まさかのその年の法科大学院での期末試験で出題されてびっくりしたというのはいい思い出です。
 その時の経験が自分の中で大きな財産となったため,ぜひまたTLOでお世話になりたい,学びたいと思ったことが私が本インターンシップに申し込んだきっかけです。

3 本インターンシップで得たもの
 私は本インターンシップで学んだもの,得たものとして大きく3つあると思っています。
 まず1つ目は,本インターンシップのプログラムを終えて,自分が目指すべき法曹としての姿をしっかりとイメージすることができるようになったことです。本インターンシップは非常に綿密に練られたプログラム構成となっており,まさに司法試験合格のための受験勉強から修習さらには実務への架け橋となるプログラムです。もちろん,実務家として実際にどのようなことをするのか,どのようなことができるようにならなければならないのかをプログラムを通して体験できることも非常に自分にとって大きなことでしたが,私は,これから法曹として活動していくにあたり,自分の中で一本芯となるような,そんな確固たる信念のような,概念的なものではありますが,自分の目指すべき法曹像を思い描くことができるようになったことが一番の収穫であったと思っています。また,今まで漠然としかイメージできていなかった実務を約2週間見せていただいて,自分のやりたい分野,事件はどのようなことなのか考えることができました。
 次に2つ目は,大人の社交場とでもいうのでしょうか,人付き合いの現場を体感できたことは,今まで学生としての経験しかなかった私にとって大きな経験となりました。本インターンシップでは,土日に事務所を出てとある場所に行きとあることをするのですが,その経験を通して,人と人のつながりの大切さを実感するとともに,つながりのはぐくみ方を間近で見ることができました。また外部の講師の方をお招きしてお話を聞いた後,夜に料亭での懇親会にお邪魔したときは,これぞ大人の世界だとなんだかとても感動したことを今でも覚えています。
 そして3つ目は,正直本インターンシップに応募した段階ではこんなことは想像もしていなかったのですが,よき仲間と巡り合えたことです。私たちは4人で本インターンシップに参加しましたが,一緒に課題に取り組んだりする中で自然と打ち解け,最終的にはお互いを程よくいじれるくらいの関係にまで仲良くなりました。もちろん,ただ仲良くお友達になったというわけではなく,課題も協力するところは協力し,決して誰かに頼るのではなく,一人一人が主体的に取り組んでおり,お互いをより高めあうことのできるライバル・同志といった関係になれたのではと個人的に思っています。きっとここで得た友人4人は一生付き合っていくことになるんだろうなと確信できるくらい,いい出会いをすることができました。皆さんにもぜひ良い出会いがあることを願っています。

4 最後に
 本インターンシップのプログラムは充実している分非常にハードで,毎日部屋に帰っても課題をやったらすぐに寝るだけという生活でしたが,本インターンシップをやり遂げたという経験は自分にとって大きな財産となりました。もちろん,課題の合間には,インターンシップを一緒に頑張っている友人たちと仲良くしゃべったり,時には少しお酒を飲みながらといった,楽しい時間を過ごすこともできました。濃密な時間を過ごしたからこそ,ここまで仲良くなれたのかなと思います。
 また,エクスターンシップに引き続き,様々な美味しいものを食べさせていただき,とても幸せな時間でした。エクスターンシップでは行くことができなかったようなところまで今回は行くことができて,より富士市や静岡県の魅力を感じることができました。私は高校生までを地元で過ごし,大学から東京に住んでいてもう東京7年目となるのですが,初めて地元以外でこの町ならずっと住んでもいいなと思えるくらい,富士市はよいところだなあと感じています。
 少しでも本インターンシップのすばらしさを多くの方に知っていただきたい,ぜひ参加してほしい,そのために少しでも参考になるような文章にしたいという思いでこの体験記を書いてきましたが,その反面,できるだけ何をやるのかは当日まで知らない方が得られる感動や楽しみは大きいのではないかとも考えたため,何を実際に体験したのかかなりぼやかして書いているため,全体的にボヤっとした文章になってしまい申し訳ございません。少しでも,何か読んでくださった人にとって参考となる部分がありましたら幸いです。
 最後になってしまいましたが,コロナ禍にもかかわらず,このような貴重な機会を提供してくださり,親身になって指導してくださった先生方はじめTLOの皆さん,本当にありがとうございました。本インターンシップを通して,目指すべき法曹像を思い描くことができ,自分自身の核となる考え方を身につけることができたので,ここで学んだこと,経験したことを生かして,しっかりと自分自身が何をやりたいのか,どうしていきたいのかを考え,そこに近づいていけるように,まずは修習に全力で取り組み,そして,しっかりと進路を決めたいと思います。