勤務弁護士(アソシエイト)
平山周恒
2020年12月21日にTLOに入所しましたので,現在(2021年9月現在),約10か月が経過したところです。
私は東京出身ですが, 富士市は気候温暖で,とても住みやすい街ですね。新幹線も通っているため東京も近いですし,それでいながら富士山や熱海や山梨の温泉といった自然が身近にあるのも魅力ですね。
LSサポート部に所属しています。TLOでは事業部制が採られていて,各パートナーがそれぞれの事業部を統括運営しています。そのなかで,アソシエイトは,特定の事業部には所属せず,LSサポート部に所属することで,パートナーから声がかかれば,どの事業部の事件にも関与できることになっています。このように,事業部の垣根を越えて様々な案件を担当できるのは,アソシエイトにはとても有り難いですね。
主に臨床法務に従事しています。
例えば,TLOに入所して直ぐに,ある会社で役員を務めその後に退職した依頼者が会社から善管注意義務違反があったとして損害賠償を求められた事件や,依頼者である法人を退職した元職員から退職金の支払いを求められた事件などを訴訟代理人の一員として担当しました。私が加わった時は人証調べの直前でしたので,早速,証人尋問の準備や尋問の一部も担当し,その2つの事件の最終準備書面も起案しました。これらの事件については,すでに勝訴判決を受けています。
また,最近同一労働同一賃金をめぐる事件で最高裁判例が相次いで出され社会的に注目を集めていますが,私も,退職社員から旧労働契約法20条違反を理由に損害賠償請求訴訟を提起された事件で会社側訴訟代理人の一員として関与しました。
このような会社法人関係の分野だけでなく,離婚や婚姻費用分担の調停や訴訟,刑事事件など個人法務分野の事件にも関与しています。
そうですね。想像した以上に幅広い事件に関与していますので,入所当初から有益な経験を積めているなと思っています。
特に証人尋問は,すでに5件ほど関与していますので,2ヶ月に1回は証人尋問をしています。
いいえ。TLOの日常業務である予防法務の分野ではパートナーをサポートすることも私の仕事です。
パートナーは,それぞれ担当する顧問先から予防法務に関する相談を日常的に受けていますので,パートナーの指示を受けて,私が,その相談案件について,必要に応じてリーガルリサーチを行い,自分なりの助言内容を考えてパートナーに報告するということをしています。
そうです。TLOの顧問先は予防法務の意識が高いようで,様々な自社の経営上の課題について法的なリスクがないかどうかをTLOの弁護士に予め相談するという会社法人が多いのです。ですから,TLOが取り扱うリーガルサービスの中で,このような予防法務の割合が臨床法務以上に高い割合を占めています。アソシエイト時代からそのような予防法務に関する実際の相談に関与することで,書籍などでは決して経験できないような経済社会における生の取引や経営課題に接し,その法的な意味合いを検討し,顧問先の事業活動を法務の面でサポートする機会が持てるのはとても貴重だと思っています。
TLOのクライアントは,主に顧問先と個人会員でして,それ以外に顧問先等から紹介を受けた方からトラブルの解決を依頼されることももちろんあります。顧問先は,大多数は県内の企業法人ですが,一部は神奈川県や東京都の会社も含まれています。しかも,顧問先の業種も多種多様で広範な分野にわたっていますし,地元自治体からも日常的に相談や依頼を受けています。そのため,各種企業法務に関する相談,地元オーナー企業の事業承継やそれに伴う経営者個人の遺言・相続に関する相談,金融機関の法務相談,自治体からの各種相談など,法人と個人に関するあらゆるジャンルの案件に関する相談が日常的に持ち込まれています。これらの相談の多くは予防法務に関する相談や依頼です。ですから,TLOでは,トラブルに遭ってからその解決が持ち込まれる臨床法務の割合は比較的低いのが実情といえます。
はい。それらの相談案件についても,パートナーの指示があれば,私の方で,資料を読み込んで法律関係を検討し,必要に応じてリーガルリサーチを行ったり,自分なりの助言内容を考えた上でパートナーに報告するという形で関与しています。もちろん,すべての相談案件に関与することはできませんが,パートナーから関与を指示されない場合でも,私の方でこの相談案件についてやってみたいと申し出れば関与することができます。また,私が関与する場合は,その案件について必ずパートナーと意見交換を行いますので,これが非常に勉強になりますね。
TLOでは,規模が大きい事件,先例がなく法解釈を要する事件といった比較的複雑で困難な事件については,これを適正・迅速に解決するために,パートナー間でチームを編成し複数の弁護士が共同して解決に当たるようにしており,これを「共同事件」と呼んでいます。アソシエイトは,共同事件の全件についてチームメンバーとして必ず関与することになっています。共同事件については,事件を受任する前に,事件の見立て,解決手段の選択,手続工程の見通し,受任内容等について,チーム会議で活発な議論がされます。アソシエイトは,まず,自分なりに事件内容を把握し「事件の見立て」,解決のゴールと解決手段をチーム内で提案しなければなりません。私は,関係資料の精読や関連判例や文献等のリサーチを行いますが,パートナーと議論していく中で,指摘を受けて更にリサーチを行うこともあります。チーム会議では,パートナーから事実の見方や事件の見立ての甘さを指摘されたり,法律構成の誤りを直されたりして大変な思いもしますが,それでも自分の思考過程を振り返ることで,自分になかった知見やノウハウを吸収でき,日々法律実務家としての成長を実感することができます。真に対等な立場で議論に参加できるよう,私もさらに努力していきたいと思い,未熟であっても積極的に発言するようにしています。
はい。事件の一部分しか担当しないというようなことはなく,アソシエイトも,依頼者から委任を受けた代理人の一人として,最初の「事件の見立て」から事件の受任・事件の解決終了までの全過程に関与しています。
TLOでは,文書の起案力を身に付けることを非常に大切にしています。共同事件のチームメンバーとして,その事件に関する訴状,答弁書,準備書面といった文書は,まずアソシエイトが起案しますが,これを読んだパートナーから,手を加えられたり,文書の構成・編集を修正されたりすることも度々あります。経験豊富なパートナーや客員弁護士(裁判官OBです。)から手直しをされた後の文書は,なるほどと思い,何が足りなかったかが分かりますので,実務家として求められる「文書の起案力」を磨く機会として絶好の環境だと思っています。
パートナーが執務している部屋で机を並べて一緒に執務しています。このような環境は、アソシエイトの私にとって先輩弁護士の日常の勤務から多くを学べる最適な環境といえます。また,どんなに調べても疑問が残る問題について,その場ですぐに相談できますので,一人で抱え込んで悩むことはなく,助かっています。
職務の空き時間には,コーヒーブレイクと称して代表やパートナーと一緒にコーヒーを飲みながら,事件のことだったり,経営の話であったりと色々な話題をみんなでざっくばらんに話をしています。これは弁護士として大事なことを気づかせてくれる時間でもあります。
TLOには入所に当たってのスタートアップ支援制度があり,私としては,これが助かりました。入所するアソシエイトに対しては,富士市までの引越費用,弁護士会費(入所1年間分)を支給するというものです。また,富士市のマンション・アパートの家賃は大都市に比べると安い上に,TLOには社宅又は住居手当の支給もあります。司法修習が終わってから弁護士になるまでの間に日弁連や弁護士会への登録料等の費用負担があり金銭面での不安が多少ありましたが,この制度のおかげで不安が和らいだので,私は入所して直ちに執務に集中することができました。
TLOでは後進育成にも力を入れており,毎年,司法修習生やインターン生を受け入れて指導に当たっています。私も,司法修習生やインターン生にとって一番身近な先輩となりますので,いろいろと相談に乗ったり助言をするなどしています。
ゴルフをプロに習い始めています。休日は,今はまだコロナの関係で外に出ることはあまりできませんが,落ち着いたら,伊豆,熱海や山梨の温泉にも行きたいですね。
TLOに持ち込まれる多種多様なジャンルの幅広い案件について,アソシエイトが弁護士としてじっくりと取り組める環境があります。私は,この環境を活かして積極的に職務を行い,「クライアントに最良のリーガルサービスを提供することができる弁護士」になりたいと考えています。
有り難うございます。